アンティークのカウチソファの張り替え
木枠の両サイドに鳥の彫刻が施されていたり、足も猫足だったり、装飾が多く見ているだけで楽しい一脚。
鳥のお顔も愛らしく、これは愛着がわきそうです!
鋲打ちもきいていてアンティークならではの雰囲気が出ていますね。
中身をまるっと変える
ひっくり返してみるとこんな感じで、ウェービングテープが張り巡らされています。
これも全て剝がし、一旦まっさらにします。
剥がしてみると、なんだかすごくシンプルというか、単純というか、あっさりしている印象を受けます。
「こんなもんなのか?」と少し疑問に感じるくらいですが、実際このカウチはすこし木枠が少ないようです。
木枠として自立する構造としては成り立っていると思うのですが、背面の中身の構造を作る為に張らなければならないものを張る場所が欲しいところに無い!
本来ならここにもう一本木が渡っているはずがない!という、張り屋泣かせの構造なのであります。
中身ができたら、張り込んでいきます
生地の張り込みまでくると、もう完成間近です!
イス張り屋の仕事の半分はイス剥がし屋なので、生地を張ってる時間って案外少ないんですよね。
張る時は上の写真のように、タッカーでパンパン打てるのでサクサク作業が進むのですが、剥がすときは釘ひとつひとつを木づちとマイナスドライバーのような工具を使って浮かして、ニッパーで抜いていきます。
剥がしが終わったら、構造部分となるウェービングテープを張ったり、ウレタンを貼ったりして5段階くらいの工程を経て、表生地の張り込みに至ります。
張りの作業はクライマックスですし、パシッと決まると気持ちいいです。
このカウチは最後に鋲を打つ必要があるのでそれで完成となります。
落ち着いた色味の花柄がこのカウチによく似合っていていい張り替えになったと思います。
後ろ姿もなかなか色気があって良い感じです。